2013年6月4日火曜日

初写経

昨日は引率者として奈良の薬師寺へ遠足に行きました。
前回来たのは高校の修学旅行のときですから、じつに三〇年以上ぶり。
ここで念願の写経を経験しました。

お堂へ入るとき、まず丁子、つまりクローヴをひとつ渡されます。
写経しているあいだじゅう、浄化のため、口に含んでおくのです。
象のかたちの入れ物に入ったお香をまたぎ、席に着きます(香象)。
それから般若心経の書かれた紙の上に透き通った和紙を重ねる。
ゆっくりと墨を摺り、小筆で上からなぞってゆきます。

お堂は広く、それなりに人はいるのに静か。
書いていれば無になれるかと思ったけれどそうそうなれず、邪念が次々
頭をよぎる。
そのうち、260何文字のなかで一番よく出てくるのが「無」だなと気づきます。
「無」ってなんでこういう字なんだろう、と思っているうち、「無」を書いて
いるときだけ、無になれるようになりました。

うちは曹洞宗なので、般若心経はわりと馴染みがあり、頭のなかで
お経の声が聞こえてきます。
奇しくも先週来、ちょうど一年前に亡くなった父が何度も夢枕に立って
うなされるので、関西までも来てるのかーと何度も自分で朗読していた
ところでした。

母方のほうで馴染みのある浄土真宗の浄土三部経と読み比べたりしてみると、
断然内容がいけてる気がします。
理解しているのかと言われればまったくそのステージには達していませんが、
とりあえず完全に暗誦して、いつでも唱えられるようにしたいなあ。

写経についても、なんだか書き終えてすきっとしたので、またやってみたい
感があります。

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