2012年7月30日月曜日

植物愛3冊

『雲母』のリレーエッセイ、「この3冊」に「植物」をテーマにした3冊を推薦しています。

紹介したのは『昆虫記』で有名なファーブルの『植物記』。マリー・ペルトの『恋する植物』。
伊藤比呂美のすばらしくワイルドな詩集、『河原荒草』。
『河原荒草』は引っ越しでなくなってしまい、想像で書きましたが。

この季節、植物への愛はもっとも高まります。
冬に食べ忘れたサトイモが、今ベランダのプランターで巨大な葉をたくさん茂らせ、
観葉植物への変身を完全に遂げました。
引っ越したばかりのベランダは、すでに植物でいっぱい。

植物と動物は甲乙つけがたく面白い。
カブトムシはいつの間にか12匹に増えていました。

それにしても暑い!
今の京都町中の空気の感じは、これまで訪ねた他の場所のどこに一番似ているか考えてみたら、
ラスベガスだという結論に達しました。

2012年7月17日火曜日

カブトムシ登場!

昨日夜、一昨日夜と、カブトムシがたて続けに5匹、登場しました。

東京から関西まで、段ボールごと運んだすえの羽化です。
きみたち、栃木生まれなのに、虫としては考えられないくらい、ものすごい移動をしたね!

メスが2匹に、なんだか今年はやけにツノが短いけれどオスが3匹。
まだまだサナギはたくさんいます。
秋が深まるまで長生きして、今度は関西虫として卵を産んでください。
yoyo館周りのクヌギ林に放してあげるのもいいかも。

2012年7月14日土曜日

さよなら女子大

まだ試験は残っているとはいえ、8年半非常勤講師をつとめた女子大の、最後の授業を終えました。
生まれてはじめて教師業についた先がこの大学。
毎週6時台に家を出るのはきつかったけど、すっかり馴染みになり、同僚も友人のようになり、
居心地いい職場でした。

思えば最初の頃は1時間半しゃべれるかの緊張のあまりおなかが痛くなるほどで、たどり着くのもやっと、たったひとコマの授業に疲れ果ててしまったものです。
一対一なら誰とでも話せる自信はあっても、一対複数というのがものすごく怖かった。
誰にも好意を持たれたいけれど、そんなことは普通に考えてありえないという事態におびえていたんですね。
経験は人間を鍛えるもので、今でも怖さは感じるものの、なんとかこなせるようにはなりました。

今の2クラスの学生たちは4月からのつきあいではありますが、授業の後には一緒に写真を撮って、おしゃべりして終了。
元気にがんばって、好きな道をみつけてほしいものです。
原発の避難区域出身で、親子離れ離れの生活をしている学生、フランス留学したいけれど今とても言い出せないと言っていたけれど、焦らずに方法をみつけられればいいと思います。

印象に残っているのは、沖縄からの飛行機に乗り込んだら、担当の客室乗務員、いわゆるスッチーがよく話をした卒業生だったこと。
声をかけたら、おすましして仕事をしていたのが、突然はしゃいだ学生に戻ってしまい、今の仕事の大変さや大学の思い出などいろいろ話してくれました。
いつまでも通路に立っておしゃべりに夢中になっているその手から、能面のようなほほえみの先輩スッチーが持ったまま下げないでいる紙コップなどさっと持ち去っていったりするので、叱られないかとずいぶんドキドキしましたが、こちらも再会できて楽しかったです。

こんな偶然な感じで、またいつかみんなとどこかで出会えたらうれしいです。







2012年7月7日土曜日

ブルターニュについてのエッセイ

通信教育部報『雲母』表4の連載ページ、「芸術時間」にエッセイを発表しています。
タイトルは「牡蠣ーー月と海の記憶を閉じこめたひとつの宇宙」です。

2月から3月にかけ、家族の仕事につき合ってブルターニュのカンカルへとても印象深い旅をしたのですが、あまり人に話したり書いたりする機会がありませんでした。
ものすごいスピードで月日は流れ、すでに遠い過去のようにも感じられるのを、少しじっくり思い返して、牡蠣についてのエッセイを書いてみました。
カンカルと三陸、遠く離れたふたつの海の牡蠣業者が援助しあう関係であることは、意外に知られていないですね。

カラーで牡蠣の直売所で撮った写真も載せています。
ガストロ(ノロウイルス)に罹患し、5日間のたうちまわって苦しんだ直後、決死の覚悟で食べた牡蠣のめちゃくちゃ美味しかったこと。
今すぐ飛んで戻って、あと2ダースぐらい食べたい気持ちです。

これもエッセイに書いていますが、滞在したBreitz Cafeという民宿の窓から見える干潟の景色が感動的でした。
じつはここの経営者であるブルトン人と日本人のご夫婦は、東京ではご近所であることがわかり、びっくりしました。
ブルターニュ地方独特の黒っぽい石造りの建物を買い取って始められたごく簡素な宿ですが、ここはお勧めです。