2012年5月15日火曜日

ドゥニ・ヴィルヌーヴ『灼熱の魂』

最近DVDになったばかりのケベック映画『灼熱の魂』(2010、カナダ)を見ました。
ケベック映画といっても、冒頭をのぞいて大半の場面はレバノン。
内戦状態のレバノンを逃れカナダに移住した母親の死後、残された双子(息子と娘)が母の故郷へ渡り、その足跡をたどる旅を続けるという内容です。
現在と、母が生きた内戦時代(1970年頃から80年代半ば)が交差しますが、ムスリムの恋人と引き裂かれ村の恥呼ばわりされたキリスト教徒の母が、パレスチナゲリラやキリスト教右派が入り乱れ、いつ殺されてもおかしくない状況下をかいくぐって生き延びる描写はあまりに過酷。そして結末はさらに……。

原題はIncendiesで、自身もレバノンからカナダに移り住んだ劇作家、ワジディ・ムアワッドの戯曲『焼け焦げる魂』がもとになっているそうです。

この映画、今年の「フランス語圏の文化」の授業で、ケベックの回に見せようかとも思っているのですが、ただでさえ重めのラインナップがますます重みを増してしまうかなー。
それとも去年同様、もっとずっと肩の力を抜いて見られる『大いなる休暇』にしたほうがいいだろうか。
迷うところであります。




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