2014年2月21日金曜日

第2回日本フランス語圏文学研究会

3月6日(木)11時より、京都造形芸術大学NA409教室にて、
日本フランス語圏文学研究会の研究発表会を開催いたします。
http://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/
来聴歓迎ですので、お近くの方はどうぞお運びください。

以下、プログラムです。

午前の部11:00~

開会の辞 立花英裕(会長・早稲田大学)

研究発表

「軌跡の詩学――インゴルドとグリッサンをめぐって」
工藤晋(都立南葛飾高校)

「エメ・セゼールとフランス語の生成――『帰郷ノート』を例に」
福島亮(早稲田大学)

午後の部14:00~

「エメ・セゼールにおける〈文化〉と〈レイシズム〉――その時代背景をめぐる予備的考察」 
立花英裕(早稲田大学)

「第二次世界大戦後のフランス領西アフリカ(AOF)――
コートジボワール作家ベルナール・バンラン・ダディエの体験と自伝的小説『クランビエ』から」
村田はるせ(アフリカ文学研究者)

「初期アルジェリア文学における世界観」
鵜戸聡(鹿児島大学)

「ニューヨーク1939‐1942――シモーヌ・ヴェイユとゾラ・ニール・ハーストン」 
大辻都(京都造形芸術大学)

16時頃、発表終了予定。

2014年1月8日水曜日

イベント「マリーズ・コンデ/グアドループの海岸から世界文学の深層へ」

1月13日(月祝)15時から、下北沢のブックカフェB&Bで、本の刊行記念イベントが
 
カリブ海のスライドなどもたくさん用意しましたので、お時間があればどうぞ参加してください。
(ウェブサイトでの申込みが必要です)
 
以下、B&Bウェブサイトからの転載です:
 
大辻都×小野正嗣×管啓次郎
「マリーズ・コンデ/ グアドループの海岸から世界文学の深層へ」
『渡りの文学』(法政大学出版局)刊行記念


カリブ海のフランス海外県、グアドループ。この美しい島出身のマリーズ・コンデは、
現代フランス語圏文学を代表する作家のひとりです。
彼女の文学の全体像を見わたす本格的な研究書『渡りの文学』の出版記念イベントとして、
著者の大辻都さん(京都造形芸術大学准教授)と小説家の小野正嗣さんに対談して
いただきます。

小野さんがパリ第8大学で博士号を取得した際の論文は、まさにマリーズ・コンデ論。
また、司会・進行を務める管啓次郎さんはコンデの『生命の樹』を翻訳しています。
カリブ海文学に関心をもつ3人のお話から世界文学の第一線が浮かび上がる、
刺激的な午後となることでしょう。

2014年1月6日月曜日

『いま、世界で読まれている105冊』

またさかのぼってのお知らせですが、日本未翻訳の世界中の文学作品を紹介するという
面白いコンセプトの本が発行され、私も執筆に参加しました。

タイトルは『いま、世界で読まれている105冊』(Ten-Books、2013年12月刊)

アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニア……それこそ世界中の地域から
105冊が紹介されており、私はグアドループの作家、シモーヌ・シュヴァルツ=バルトの
『奇跡のテリュメに雨と風』について書いています。

できることなら翻訳もしてみたい、人気作家のマリーズ・コンデとはまた違った、神秘的な
味わいをもつ、大好きな作品です。

2014年1月5日日曜日

『渡りの文学』刊行のお知らせ

 

 
明けましておめでとうございます。
2013年12月に著書を刊行しました。手にとっていただけると、うれしいです。
今年も文学を通し、近くや遠くの世界のことを考え続けたいと思っています。
 
大辻都『渡りの文学 カリブ海のフランス語作家、マリーズ・コンデを読む』
(法政大学出版局)  
                       
以下、目次です:

序章 マリーズ・コンデとは誰か?

第I部 カリブ海、言葉の胎動

第1章 被植民者による諸理論の変遷とその後景
一 セゼールとネグリチュード
二 クレオール性とは何か?

第2章 書かれること/書くこと──表象としてのカリブ女性から女性作家へ
一 植民者と「黒人」の出会い──恐怖から接近へ
二 ドゥドゥイスム──クレオール女性の表象
三 ヨーロッパ人作家が描く「黒人」女性像──『ウーリカ』『ユーマ』「ボアテル」

第3章 カリブ海の女性作家誕生
一 戦間期とヴィシー政権下──S・ラカスカード、S・セゼール
二 一九六〇年代:カリブ女性の日記文学と病理──ミシェル・ラクロジル
三 一九七〇年代:クレオール世界のアレゴリー──シモーヌ・シュヴァルツ=バルト

第II部 マリーズ・コンデを読む

第1章 マリーズ・コンデと「アフリカ」──『ヘレマコノン』をめぐって
一 『ヘレマコノン』とその背景── 一九六〇年代初頭のアフリカ独立国家
二 セゼールからファノンへ──コンデと「アフリカ」を結ぶふたりの作家
三 大文字の「アフリカ」はあるのか
四 隔てる時間と集団的記憶

第2章 非‐マロン文学としてのカリブ海文学──『わたしは魔女ティチューバ』
一 アフリカからアメリカへ──新たな自伝
二 マロナージュと母子関係──トニ・モリソン『ビラヴィド』と『わたしは魔女ティチューバ』
三 語りとしての滑稽叙事詩と非‐英雄たちの共生

第3章 アフリカ‐アメリカ‐カリブ海──『最後の預言王たち』
一 ふたたび「アフリカ」──非‐英雄スペロの起源探索
二 アメリカのカリビアン
三 カリブの母の系譜
四 アメリカ/カリブのアナンシ的ネットワーク

第4章 蜘蛛の巣化する一族──『悪辣な生』
一 カリブ海の歴史とある家族の「滑稽叙事詩」
二 個人の記憶、集団の記憶
三 世界の周縁としてのカリブ海ディアスポラ

第5章 アンチ・ヒーローと名前──コンデ作品のカリブ世界創造:『マングローヴ渡り』『移り住む心』(前)
一 英語文学の書き換えとグアドループへの移植
二 他所者のいる共同体
三 奇妙な名──クレオールの魔術空間

第6章 微弱なポリフォニー──コンデ作品のカリブ世界創造:『マングローヴ渡り』『移り住む心』(後)
一 複数化する乳母(マボ)たち
二 コンデの「姉」リースの多層的批判
三 マングローヴを生きる──シャモワゾーとの対話

終章 世界の網としてのカリブ海

 註記
 あとがき
 附録3 マリーズ・コンデ個人年譜
 附録2 カリブ海の女性文学史
 附録1 カリブ海のフランス植民地史概略
 参考文献一覧
 索引




 

2013年11月15日金曜日

名作一気読み

自分のための読書時間がめっきり減っているのが悩みの種ですが、
代わりというか、いっそ授業準備をインプットの機会にしてしまおうと考える今日この頃です。

フォークナー「熊」、古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』、和合亮一「詩の礫」、
川上弘美『蛇を踏む』、多和田葉子『犬婿入り』。
これがひとグループ。

フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』、目取真俊「水滴」「面影と連れて」、安部公房
「変形の記録」、伊藤比呂美『日本ノ霊異ナ話』、景戒『日本霊異記』。
これでひとグループ。

カフカ『アメリカ(失踪者)』、ストローブ=ユイレ「階級関係(アメリカ)」、多和田葉子
『容疑者の夜行列車』『旅をする裸の眼』、ラフカディオ・ハーン「チータ」。
これでひとグループ。

最近とみに短期記憶と集中力が衰えている身に、これら全部まとめて熟読・把握するのは
もはや毎度のこととは言え、きつい。
しかし、われながらいい並びだと思います。
聞いたらお得だよと心から言えます。
そして一気読み(観・聴き)した私も得しました。

2013年11月5日火曜日

人のエネルギー

何かここしばらく、仕事全般に関して空回り感や幻滅を感じることが多かったのですが、
ここに来て、というのは、本作りの最後の最後に来て、俄然希望を感じてきました。
勢いのある仕事ぶりというのは、周囲の色を変えますし、相乗効果で全体の力が増していきます。
そういう価値に鈍感になりやすいのがフォークナーのいう「中年期」の人間なのでしょうが、
歳は中年でも、老人や若者の素直なものの考え方を心がけたいと思います。
とにかく、来月初めに本が出るのが今ようやく楽しみです。


2013年7月25日木曜日

書くことについて

最近翻訳されたスティーヴン・キングのエッセイ、『書くことについて』。
授業準備のために読みながら、はからずもひとりで爆笑の連続です。
下ネタ、というか、どちらかというと子供じみたスカトロネタの比喩を使い、
的確な創作技法を語れるのがすごい!
一番笑ったのは、「履歴書」の章にあるツタウルシの葉っぱでお尻をふいてしまう
エピソードかな。

私はどうもひたすら生まじめというのが苦手で、まじめな仕事やまじめな研究を
前にしても突然ふざけたくなることがあるのですが、そんな気分にぴったりの本です。

「書き方」といっても著者はもちろん英語を念頭に置いており、それが日本語訳として
書かれているわけだけれど、「受動態と副詞は臆病な作家が使う」とか英語の勉強にもなるなあ。
そして日本語に当てはめて考えられることも多い。

「いいものを書くためには、不安と気取りを捨てなければならない」
同感。
でもまだまだ道は長いです。