2012年12月21日金曜日

冬至ウォーキング


今日は誕生日=冬至=一年のゼロ地点という数年に一度の日。
大阪アースダイバーごっこ(中沢新一)にハマっているため、大阪最古の地主神が祀られている旧坐摩神社跡へ日の出を見に行きました。

前も書いたように、ここは冬至の早朝、生駒山系高安山からのぼる陽光が巫女に神の子を宿らせたと考えられた場所。
今はビルの谷間になっていて、視界の開ける難波宮まで出て初めて薄オレンジの陽光が拝めるのですが、この日の太陽と神社の位置関係にはなるほどと納得。

魅惑的な冬至ウォーキングでした。
 
家ではビデオを見ながら、カヒコフラの火山の踊りを見よう見まねで踊る。
よく動きました。

2012年12月17日月曜日

『大阪アースダイバー』

状況はどうあれ投票へは行くというのが方針でありながら、
転入届の提出が大幅に遅れたため現住所では投票できず、
アメリカ在住の時以来の棄権です。

ところで。
中沢新一の『大阪アースダイバー』がめっぽう面白い。
古代の地形から都市の成り立ちを読み解くのが「アースダイバー」のスタンスですが、
東京をテーマとした元祖より面白いと思います。

二千年前にはほぼ海底にあったのが砂の堆積により形成された土地であり、
海民と先住民が交流して「無縁」が基本である商いの都市を生み出したとの解釈は
大胆にして新鮮です。
そしてその形成の核になるのが、もともとの陸地である南北の上町台地のライン
(アポロン軸)と、この正しいラインを生駒山の方向へ捻じ曲げる東西の河内のライン
(ディオニュソス軸)のふたつの軸。

偶然にも私自身の大阪との関わりというのが、海であった梅田でも心斎橋でもなく、
まさにアポロン軸たる谷町筋(谷町線)とディオニュソス軸たる河内(近鉄南大阪線)
で、つねにこの北から南へ、西から東へというL字型を移動しているのが日常であります。
そして私の大阪での精神的拠点はなぜだか、かつて一時期住んだことのある
大阪市中央区石町であり続けているのですが、ここは上町台地の北端に位置します。

本書によれば、ここは新羅の渡来人であるツゲ氏(都下とも書かれる)が
渡辺氏と名を変え支配した一帯であり、豊臣秀吉により強制移住が命じられるまでは、
河内王朝最古の地主神を祀った坐摩神社があった場所なのでした。
これは中沢氏の推察の域にはあると思いますが、冬至の日、生駒山からの最初の陽光が
射すのが坐摩神社の位置であり、
つまり古代の人々は、この光により巫女が神の子を産むと考えていたという。

冬至っ子の私には、あまりに刺激的な発想ではありませんか。
間もなく来る冬至の日には、ぜひとも石町の坐摩神社跡に行ってみたいと思います。
さらにまた、私の移動ラインの続きである、上町台地(アポロン軸)北端から
東へ向けてのライン(京都市伏見区あたりまで)、伏見区から左京区までの
南から北へのラインという逆L字ラインについても、自分で考えてみたいです。

土地について考えるのは、なんでこう楽しいんでしょうか。

2012年12月12日水曜日

ハイジの館

ケベックのナショナル・アイデンティティについての話を聞きに京都大学まで歩こうとしたら、
途中で霰がバラバラと降ってきて、ついタクシーに乗りました。
一昨日の雪の日は、熱を出して布団から出ませんでしたが、やはり京都の冬は寒い!

しかし晩秋以降のyoyo館は、木立の冬枯れた感じがなんともロマン主義的にすばらしく、
あるいはまた、お部屋に籠るハイジの気持ちにも浸れ、うっとりです。

ハイジ気分を高めようと、ラブリーな赤いギンガムチェックでカーテンを縫い、
丸見えの入り口の間仕切りにしました。

これだけ落ち葉が豪勢にあると、焼き芋がしたいのが人情です。
事務の女性たちを焚火に誘い、ブランド薩摩芋(熊本のとろ蜜芋)をひと箱買い、
いざ焚火のやり方を調べてみると……
こんな山のなかでやってはいけないことは、基本中の基本でした。
もの知らずを恥じ、出直します。

2012年12月7日金曜日

ガケ書房の「北と南」

大学近くの白川通り沿いに「ガケ書房」というちいさな書店があって、
毎日バスで通り、たまに立ち寄ります。
今日、久しぶりにのぞいたら、私も寄稿している『北と南』最新号が置いてありました!
表紙を向けるかたちで、目立つ場所に二か所も!

このブログでお知らせしそびれていましたが、2か月ぐらい前に第3号が出たのです。
私は自信作、「レッドダート・ブルーズ」を連載しています。

感度がよく、すばらしくていねいに作られているこの雑誌、関西では大阪のカロ・ブックス、
京都の恵文社一乗寺店にも置かれています。

恵文社もガケ書房も、ちいさな雑誌や書店員の目で絞り込んだ書籍を集めた、入って
うれしくなるような書店です。
こういうのがあるところが、京都の魅力ではあります。
相変わらず、有名な寺社仏閣にはひとつも行かないまま、もみじのシーズンは過ぎ去って
しまいましたが。

ガケ書房の電話とファックス番号見ていて笑いました。
電話:ナニヨオールナイト
ファックス:ナニッ クルシイオッサン

こういうの大好きです。
私の昔の電話は、ミニデムリヤリ オドローゴーゴーでした。

2012年11月14日水曜日

『新潮』、安部公房効果で異例の増刷

先日発見された安部公房初期の短編「天使」が掲載されたことで
『新潮』が文芸誌としては異例の増刷。
当初の1万600部刷っていたのが、各地で売り切れ続出のため
追加で4000部増刷。

この機会にぜひ、同時掲載の書評、「フォークナーを完成する」を
お読みください。

2012年11月8日木曜日

「フォークナー、ミシシッピ」書評

『新潮』12月号に、エドゥアール・グリッサン著『フォークナー、ミシシッピ』(中村隆之訳、
インスクリプト刊)の書評を書きました。
タイトルは「フォークナーを完成する」。

必死で熟読し、苦しみながら書いたぶん、グリッサン理解が前より深まったかも。
面白いけど、やっぱりむずかしい……
よかったらご笑覧ください。

おりしも、週末の授業で扱ったフォークナー。
グリッサンのいう、この作家固有の構造、「後れてくるエクリチュール」についても少し
話しました。

「意識の流れ」は20世紀モダニズム作家たちが試みた実験的技法、なんて
文学史ではさらりと説明されるけれど、上の構造のためには必然の要素で
決して同時代の流行りだからというわけじゃないんだということも、あらためて感じました。

今月号の『新潮』、最近見つかった安部公房の短編「天使」も載っているので
ぜひ本屋へ!

2012年10月25日木曜日

シャモワゾー来日とそのついでに

パトリック・シャモワゾーが京都にやってきます!
この来日にともない、いくつかのイヴェントが組まれているようです。

まずメインの講演会はこちら。

11月15日(木)17時より
立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム
「カタストロフィと正義」
講演者:パトリック・シャモワゾー
ディスカッサント:ポール・デュムシェル
司会:西成彦
モデレーター:中川成美

11月12日(月)18時30分より
紀伊國屋書店
「文学の力」
パトリック・シャモワゾー×大江健三郎
司会:堀江敏幸

11月17日(土)
アンスティテュ・フランセ東京
「口承性とエクリチュール」
パトリック・シャモワゾー×吉増剛造

話を聞けるのが楽しみです。

この来日に合わせ、東京と京都でやる「ポストコロニアル文学」授業の内容を
当然ながらシャモワゾー特集に変えました。

比較的最近翻訳が出た『カリブ海偽典』をしっかり準備する時間はなかったので
『テキサコ』を扱います。