2015年3月23日月曜日

新刊『芸術大学でまなぶ文芸創作入門』

今月、大辻都著『芸術大学でまなぶ文芸創作入門――クリエイティブ・ライティング/クリエイティブ・リーディング』(ブイツーソリューション)が刊行されました。
2015年度より大学のテキスト科目で使用する教科書ではありますが、一般向けの創作入門書として読まれることも意識して書かれており、少部数ですが、セブンネット、hontoなどネット書店を中心に書店にも流通します
以下、内容の目次です。

はじめに
Ⅰ. クリエイティブに書く!
第一章 小説は「書き出し」が命
       背景を説明し尽くすリアリズム的手法
       独自の小説世界に引き入れる
       文章の新鮮さでインパクトをあたえる
       唐突な書き出し
       読者への呼びかけ
       枠物語(額縁小説)
       ギリシア悲劇的な構造の提示

第二章 語り手を設定せよ
       一人称か三人称か
       介入する語り手
       二人称の実験
       信頼できない語り手
       枠物語の語り手たち
 
第三章 プロットとストーリー
       アリストテレスの定義、フォースターの定義
       「逆転」と「発見」の魅惑
       谷崎潤一郎「途上」のプロットを探る
       実践:プロットのある小説を書いてみる
       プロットは本当に必要なのか?
 
第四章 読ませる会話術
       基本的な会話文の表記
       その他の会話文の表記
       会話で状況を説明する
       「何気ない会話」を創る
       三人以上の会話
       会話によって関係を進展させる
       方言の可能性
       作品の色となる会話
       会話で構成された小説
       ポリフォニー小説
 
Ⅱ. クリエイティブに読む!
第一章 「異能の女」の系譜をたどる 
     桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
       逆読み文学史の試み
       年代記と戦後史
       「紅緑村」という場所(トポス)
       意思を持つ家
 
第二章 魔術的リアリズム――幻視する女たち
      ガルシア=マルケス『百年の孤独』「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
       魔術的リアリズムとは
       ラテンアメリカの驚異的現実
       寓話の喚起するイメージ
 
第三章 口承、クレオール、時空を旅する想像力
      中上健次『千年の愉楽』/コンデ『生命の樹』/ウルフ『オーランドー』
        声と文字と
        クレオールの陽気な死者たち
        男から女へ――時空も性も飛び超える
 
第四章 古典×現代リミックス①
      田山花袋『蒲団』/中島京子『FUTON』
        私小説はここから生まれた
        「打ち直し」というリサイクル――『蒲団』から『FUTON』へ
        『FUTON』を流れる三つの時間
 
第五章 古典×現代リミックス②
      C・ブロンテ『ジェイン・エア』/リース『サルガッソーの広い海』
        貧しい少女の自己実現の物語
        ポストコロニアル視線で見たイギリス紳士と「狂気」の妻
 
第六章 複数の無人島
      デフォー『ロビンソン・クルーソー』/トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』/桐   野夏生『東京島』ほか
       新しい想像力と近代的人間の誕生
       ロビンソンの子孫たち
       無人島とセクシュアリティ、女性、生贄
       「東京島」が生む原型としての群像劇
 
おわりに
 
本書で参照した文献リスト
 
    
 
       
    

       

0 件のコメント:

コメントを投稿